朝ドラ「半分、青い」がまれに見るくそドラマだったので、この半年『半分白目』や『半分ホラー』というタグをツイッターで楽しむことでなんとかやり過ごしてた長年の朝ドラ民なんですが、やっとその苦行も終わり、白目同窓会タグなんかをみて傷を癒してるところで気になることが
数々の脚本のやばさを指摘するために他のドラマの話が出てくる事もあって、そちらもみたりするんですが、そこでチラホラ見かけるのが
付箋をはっている
付箋を回収した
付箋を回収できていない
というコメント…
付箋てなんだ??
あの貼ってはがせる便利な紙のこと??
それ、「伏線(ふくせん)」の間違いだろー!!!しかも伏線は貼るものじゃなくて張るものだーーー!!!
と、声を大にして突っ込みたいのですが、ほとんど突っ込まれることもなくスルーされているのがめちゃくちゃ気になる!!!
そもそも伏線とは
そもそも伏線とは、
出典:
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1 小説や戯曲などで、のちの展開に備えてそれに関連した事柄を前のほうでほのめかしておくこと。また、その事柄。「主人公の行動に伏線を敷く」
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2 あとのことがうまくゆくように、前もってそれとなく用意しておくこと。また、そのもの。「断られたときのために伏線を張る」
とのこと
ちなみに、張る、敷くの用法は1、2逆な辞書もあり、どっちでもいい感じがします。
ともかく、伏=ふせておいた、おおっぴらにしていない事柄を下に敷いたり糸として張ったりしておいて、あとで引き寄せてくるものなわけです。
最初にちりばめられていた伏線が見事に手繰り寄せられて回収されていくのは特にミステリー等を読むときの醍醐味のひとつ
この伏線をいかにさりげなく事前に出しつつ、あとで回収したときにもあれか!とすぐわかる程度には見た人の印象に残しておけるかが作家の腕の見せ所というやつでしょう
というわけで、主張が暑苦しいですが伏線とはペタペタここだよーー!と張り付けてあとではがす付箋とは大違いなわけです
ではなぜ誤用に突っ込みが入らないのでしょうか
単なる打ち間違い?
突っ込みが入らない主な理由として大きいのは単なる打ち間違いかな?と思う点も大きいかと
ツイッターでちょっと呟くときに細心の注意を払う人はあまりいないと考えられるので、うっかりふくせんを付箋て打ち間違えたのかな?
伏線より付箋のほうが入力頻度は高い?かもしれないから、予測変換で付箋のほうがさっと出てきちゃったのかな??
と思えば、わざわざ間違ってますよーと言うのは野暮かなとスルーしている可能性はあります。
むしろみんなそうであってほしい…
突っ込み(指摘)には愛がいる
常々思っていることですが、突っ込みは「愛」です
相手のおかしいところを突っ込むということは相手に多少なりとも興味があるということ
それは変だよと言う事にはそれなりのエネルギーがいるのです
関わりたくない人には突っ込みません
ツイッターでちょっと呟きを目にした知らない人にわざわざ間違ってますよ!と指摘するほど愛がないのは当然かもしれません
私も 「付箋 回収」で検索してみたらかなりの人が間違って使っていたのをみて驚愕しましたが、一人一人に間違ってますよーと言って歩くのははばかられました。
指摘される方も恥ずかしいだろうなとおもえば見て見ぬふりは当然の行動なのかもしれません
だけど誤用が広まるのはいやだ
恐ろしいことですが、付箋を貼る、回収するであっていると思っているからつっこまないということもあるかもしれません…
最近はほんとに小説なんて読まない人も多いし、映画もろくに見ない
伏線をはる、伏線を回収するなんて言葉を日常的に使わない人が多いのも想像ができます
このままでは付箋を貼るが誤用のまま広がってしまうのか!?と、若干危機感を覚えます
とはいえ、ツイートにいちいち指摘はしないけど、付箋と伏線はだいぶ別物
的を得ると的を射るみたいな、ある意味どっちでも意味は同じという言葉ではないと思います(これ自体も今は誤用扱いじゃなくどっちもある言葉として認められてるらしいですね)
間違えてる人には早く気づいてほしい!!恥ずかしいぞ!!!
言葉は変化するものなので、流れで変わってしまうものはたくさんあります。
たとえば独壇場とか、誤用が広まって、むしろ誤用のほうでしかなかなか通じないような言葉を元々の言葉はこうだ!と声高に主張するひとには私もちょっとなーと思うところがあります。
「新しい」はむかしは「あらたしい」が正しかった!といって、今でもあらたしいと読んでいる人がいたら変な人です
言葉の変化はそこそこ時の流れに身を任せるものなんです
だけど、それでも!!!
伏線は!ちゃんとふくせんとして張って!敷いて!回収してほしいの!
と、頑固親父のように声高に主張していきたいと思います
わかりやすく付箋貼られてペリペリはがされてたまるかー!!
素晴らしく練り込まれた伏線が随所に張り巡らされて、見事に一本の線に回収されていくような素敵な物語を楽しみたいですね